CoffeeScriptの本は少し珍しいので、使うあてはないけど買ってみた。
CoffeeScriptファーストガイド モダンJavaScriptによるアプリケーション開発 (NEXT-ONE)
- 作者: 飯塚直
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/05/26
- メディア: 大型本
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ちょっと読んでみた。内容は、悪くはないのだけど……。
『CoffeeScriptファーストガイド』というタイトルなので、CoffeeScriptに重点を置いた内容(CoffeeScriptの文法、CoffeeScript独特のテクニック、CoffeeScript絡みのツール解説、その他)を想像していたのだけど、実際にはCoffeeScript独自の部分の解説といえば文法についてのさらっとした説明のみ。ある程度JavaScriptが分かっている人向けの書き方で、サンプルコードもCoffeeScriptとJavaScript(コンパイル結果)の双方が載っている。
この部分が全体の3分の1程度。残りは――
- 汎用の便利なライブラリを使って開発を楽に。
- テストツールとかの使い方。
- 便利やツールを使ってNode.jsで開発。
- 便利やツールを使ってクライアントサイド開発。
――それCoffeeScriptじゃないよね。あ、いや、別にこのこと自体を批判するつもりはない。
本書の前半に書かれている文法解説は、どう見てもJavaScriptの経験者か、百歩譲って他のプログラミング言語の経験者向けの書き方になっている。このうちJavaScript経験者からすると、後半のツールやら何やらの解説部分は不要ではないかと思う。
一方で、後半の内容を必要とするような人は、おそらくJavaScript界隈の事情に疎い人で、その多くはJavaScriptそのものについても疎いはずだ。そんな人たちからすると、前半の文法解説の書き方は不親切だ。
何というか、本書の個々の内容は悪くないのだけど、前半と後半とで想定読者のミスマッチが発生しているように思う。
もしJavaScript界隈の人をターゲットとするのなら「本書の前半+CoffeeScriptのもっと濃い諸々」のような構成の方がよいように思う。
そうではなく、JavaScript界隈の外の人を引き込みたいのなら、本書の後半はそのままに、前半をもっと平易に(JavaScriptを知らない人でも問題ないレベルに)書き換えた方がよい。JavaScriptに頼らずCoffeeScriptだけでクライアントサイドやNode.jsでの開発の諸々を解説できるか否かが、個人的にはCoffeeScriptを流行らせる鍵となると考えている。だって、CoffeeScriptを学ぶのにJavaScriptが必要だとしたら、学ぶ量が増える分だけ色々と不利だから。
残念ながら、現状では私のような「JavaScriptの言語自体についてはある程度知識があるけど、JavaScript界隈の文化やツールやライブラリのことはさっぱり分からん」という中途半端な人向けの内容になっている。もったいない。
以上、珍しくやや辛口に書いてみた。
*1:ただし私は部外者なので、誤った認識を持っているかもしれない。