書籍購入:オライリーのJavaScript作法本第3弾『メンテナブルJavaScript』

オライリーの新たな作法本がまた一つ。

メンテナブルJavaScript ―読みやすく保守しやすいJavaScriptコードのための作法

メンテナブルJavaScript ―読みやすく保守しやすいJavaScriptコードのための作法

JavaScript: The Good Parts』、『JavaScriptパターン』に続く第3弾、といった雰囲気だろうか? 偶然か意図してか、これら3冊はそれぞれ異なるので、本書を買っておいて損はない。

JavaScript: The Good Parts』はJavaScriptの言語本体に注目した作法本だった。コア言語と、せいぜいが標準ライブラリまでだ。あと少々過激なところもあった。

JavaScriptパターン』ではスタイルについての内容は全体の3分の1で、残りの「コンストラクションにおける設計」寄りの内容が充実していた。関数やオブジェクトの有効な利用方法、コード再利用、デザインパターンについてページが多く割かれていた。DOMやブラウザについては簡素に触れただけだった。

本書は3部構成だ。

「スタイルガイドライン」は、「何らかのスタイルを考えるためのガイドライン」的だ。「Xという問題を避けるための方法Yがあり、規約A、Bで採用されている。また規約Cでは――」のような構成が多々現れる。一方で、1行の長さやコメントのスタイル・記述すべき場所など、前述の2冊では扱っていない内容についての記述もある。

「プログラミング実践」では、クライアントサイド開発での設計・実装でのプラクティスがまとめられている。HTML/CSSJavaScriptの分離、設定データの分離、グローバル変数の避け方、イベント処理での作法など、一定以上の大きさ*1のクライアントサイドを構築する時に欠かせない知識だ。前述の2冊にはない内容だ。

そして「自動化」。これも前述の2冊にはない要素だ。ディレクトリ構成、自動化ツール、ファイル連結、ミニファイ、ドキュメント、自動テスト――どれもWebアプリケーションが大規模化し、継続的に開発が進められている昨今では欠かせない要素だ。

こう見てみると、『JavaScript: The Good Parts』、『JavaScriptパターン』、『メンテナブルJavaScript』と出版された順に読んでいくと良い塩梅ではないかと思う。

*1:個人で構築できる小規模な内容でも、この大きさに到達することは少なくない。