自動車の自動運転が実用化されたら、年1回実技講習が義務付けられる説

ロボットやドローンとならんでホットな話題である自動運転の実用化。個人的に、うまくいけば交通事故の発生確率を現在よりも低くできると期待する半面、プログラマ的には「100%完全なものは作れないから、どこかで落としどころを見つけて、そこに収束するんではないだろうか?」とも考えている。

つい先日、Googleの自動運転車の欠点についての記事が出た。

センサーの問題は技術的に突破できそうな気がする。各種イベント(警察官の手信号とか)に関しては、比較的起こりやすいイベントならば、実用化に向けて実地試験を繰り返すことで運用データを蓄積できるし、蓄積されたデータを解析することで判定精度を高めることができるのではないだろうか。

その一方で、例えば地図データに依存する手法における詳細データの欠落だとか、突発的なイベントの取扱いについては、ちょっと対応が難しい。膨大なデータの収集に時間がかかるだけでなく、リアルタイムに発生する変更にどう追随するか、という問題がある。

例えば「道路工事のために夜間通行止めする」というイベントを、入力し忘れてしまうことがあるのが、我々人類の特徴な訳だ。誤ってビルで火災が発生してしまい、すぐ側を通る首都高が封鎖されるのも、我々人類の性だ。

そうなると、落としどころとして「普段は自動運転だけど、必要に応じてマニュアル操作*1に切り替え可能」という方向に進むのではないか? 差し当たっては、どこまで自動化されるのか、という点に個人的興味を抱いている。

この想像が当たったとすると、例えば本当に本当の緊急事態においてドライバーが「自動運転からマニュアル操作に切り替えて手動運転する」という運用になる訳だ。しかし、自動運転の精度が高ければ、普通に車に乗る分には、普段はマニュアル操作する機会などないはずだ。

つまり、いざ本番となった時に、マニュアル操作への切り替えさえできずにグダグダに終わる可能性が高い。少なくとも自分はそうなってしまいそうだ。

しかし、単にグダグダに終わるだけなら何とかなるだろうが、怪我人や死人がでたらマズい。そこで、緊急時への対応についての定期的な訓練が必要となる。

よく年に1回とか避難訓練が行われるが、似たようなスパン、つまり1年に1回、運転免許センターや業務委託された自動車学校にて「自動運転車の緊急時対応に関する実技講習」とかそんな感じの訓練を義務付けられることになるのではないだろうか?

現行の日本の自動車免許の有効期限は3年ないし5年だが、「免許更新時に実技講習」ではちょっと間隔が長すぎるだろう。何よりも、本当に大々的に自動運転車の世界にシフトするのならば、自動車免許の制度自体が大きく変わるはずだ。ここで、もし仮に現在の自動車学校のような役割や、運転免許センターでの試験実施のような業務が縮小されうるのならば、その穴を埋めるように「緊急時対応の実技講習」という話が出てくるのではないかと思う。

*1:ここでの「マニュアル」は「オートマ/マニュアル」のマニュアルではないので注意。