私のように待ち望んでいた(そしていつの間にか忘れてしまっていた)人は意外といるはず。
- 作者: 藤田昭人
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2016/04/28
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (6件) を見る
本書は、UNIX誕生前夜(1960年代半ば)からバークレーでのBSD開発終了(1990年代前半)までの、Unix(UNIX、AT&T、コミュニティ、BSD、ARPANET)の歴史について、分散している様々な資料をもとに再構築して解説した本だ。
様々な資料――当時の論文や、当事者たちが後日に書籍やインタビューで語った話などを探し出して丹念に洗い出し、結びつけと分析を行い、推測する。文字通り、発掘作業を伴わない、文献調査による考古学だといえるだろう。
しかもこれ、元ネタは10年以上前の「UNIX USER」誌での連載をまとめたものなのだが、当時の連載内容から色々と変更されているだけでなく、3分の1ぐらい新たに書き下ろされている。この10年分の最新の研究成果を反映したかのようだ。
連載時にはSIMHを使ったUNIX v7の実習があったが、本書からは外されている。サポートサイト(Github)に当時の校正前原稿その他がアップされており、それらを参照するかたちになる。
*1:連載時はコの業界にはいなかったし、プログラミングとも無縁だった。