書籍購入:『Unix考古学』

私のように待ち望んでいた(そしていつの間にか忘れてしまっていた)人は意外といるはず。

Unix考古学 Truth of the Legend

Unix考古学 Truth of the Legend

ただし私は「UNIX USER」誌の読者ではなく*1、連載の数年後に『ホゲゆに』→SIMH→「UNIX USER」誌のバックナンバー、という順序で辿りついた口だ。同じような人はいるのだろうか?

本書は、UNIX誕生前夜(1960年代半ば)からバークレーでのBSD開発終了(1990年代前半)までの、UnixUNIXAT&T、コミュニティ、BSDARPANET)の歴史について、分散している様々な資料をもとに再構築して解説した本だ。

様々な資料――当時の論文や、当事者たちが後日に書籍やインタビューで語った話などを探し出して丹念に洗い出し、結びつけと分析を行い、推測する。文字通り、発掘作業を伴わない、文献調査による考古学だといえるだろう。

しかもこれ、元ネタは10年以上前の「UNIX USER」誌での連載をまとめたものなのだが、当時の連載内容から色々と変更されているだけでなく、3分の1ぐらい新たに書き下ろされている。この10年分の最新の研究成果を反映したかのようだ。

連載時にはSIMHを使ったUNIX v7の実習があったが、本書からは外されている。サポートサイト(Github)に当時の校正前原稿その他がアップされており、それらを参照するかたちになる。

*1:連載時はコの業界にはいなかったし、プログラミングとも無縁だった。