本来ならJavaScriptでTDDをやりたい人が買う本だと思うのだが。
- 作者: Christian Johansen,長尾高弘
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/11/25
- メディア: 大型本
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買う前に立ち読みがてらちょろっと目を通したのだけど、この本はJavaScriptのTDDの本であると同時に──誰かも同じようなことを書いていた気がするけど──テストを通じてJavaScriptとその周辺技術に迫る本でもある。それは実際のテストコードを通じてでもあるし、どのようにテストをするかという戦略・戦術(そしてその戦略や戦術を可能とするためのJavaScriptのコーディング手法など)を通じてでもある。
実際の所、何かをテストする為にはテスト対象について知らなくてはならない。単体テストというソースコードに近い領域ではそれが関数やメソッドの仕様であると同時に使用している言語やライブラリ等の仕様及び特性になる。JavaScriptのコードを単体テストするならJavaScriptを知っている必要があるし、クライアントサイドJavaScriptならDOMやAjax、HTMLなども加わる。時にはそれらの特性を踏まえた上で裏をかくこともある。
この本ではJavaScriptでTDDしていて、TDDする為には「JavaScriptってのはこういうものだ」という所を踏まえた上で「だからこうするのよ」となる。TDDの本だから「JavaScriptってのはこういうものだ」という所を解説した上で「だからこうするのよ」と主張する構成になっている訳で、結果としてJavaScriptや周辺技術に関してもページが割かれている。
なので本書はJavaScriptを学ぶにも向いている本だ。流石に初心者向けではないけど、多少JavaScriptを齧った人とか、「JavaScriptは書いたことないけどリファレンスがあれば何とかなるさハッハー」な他言語のバリバリ現役プログラマとかなら多分OKだと思う。