仕様書・設計書の必要論と不要論の不毛な議論を避けるためのヒント

仕様書や設計書の「要る/要らない」で議論になることがあるが、往々にして不毛なのでここに記しておく。

実のところ「仕様書や設計書は必要だ」という意見も「仕様書や設計書なんて不要だ」という意見も、根本的には同じ問題を出発点としている。

それは「必要な仕様書・設計書を、必要なときに、必要なだけ」というジャスト・イン・タイムの原則から外れている、ということだ。

「仕様書や設計書は必要だ」という人は、「必要なドキュメントが存在しない」「必要なときに手に入らない」「内容が不足している」という経験をした人であることが多い。

「仕様書や設計書なんて不要だ」という人は、「不要なドキュメントを作らされた」「まだ必要ではないのに作らされた/不要になった後に作らされた」「必要量を超えて作らされた/不要な内容まで書かされた」という経験をした人であることが多い。

結局はどちらも「必要な仕様書・設計書を、必要なときに、必要なだけ」が成立していないのだ。

問題の根っ子は同じなのに、適正レベルからの逸脱の方向の違いというコンテキストの差異にしか目を向けていないために、必要論と不要論に分かれてしまうのだ。不毛だと言わざるを得ない。