書籍購入:『C++のエッセンス』はC++03ユーザ/プログラミング経験者向けC++11チュートリアル本

A Tour of C++ (C++ In-Depth Series)』の翻訳書である『C++のエッセンス』が出版されたので、入手した。

C++のエッセンス

C++のエッセンス

軽く中身を確認したが、C++11の全体像をざっくりと説明したものである。目次や索引を除くと180ページ程度であるため、詳細は他書(例えば『プログラミング言語C++ 第4版』)に譲りつつも、さりとて表層を撫でただけの代物でもない。「C++11によるプログラミング」の雰囲気というか全体像を示すべく、重要な部分を強調した、要約が書かれている。

表題でも少し触れているが、本書は1990年代の古臭い『オブジェクト指向プログラミング』スタイルのC++使いや、もしくはせいぜいC++03止まりのC++プログラマが、C++11以降の異なる文化圏の概要を学ぶのに適している。いやホント、同じC++言語圏だとは思えないほど、随分と違いがある。

あとは、少しはC++を知ってるけど基本better CなC言語使いが、本格的にモダンC++を学ぶ際の端緒としても向いている本だろう。

C++未経験のプログラミング経験者は――システム・プログラミングやアプリケーション・プログラミング向けに、手続き型ないし「手続き型+オブジェクト指向」なコンパイラ言語でガリガリコードを書いてきた人なら、モダンC++入門する際の1冊目として本書を選択するのも悪くないだろう。ただし立ち読みで中身をチラ見してから購入するか否か検討する、という程度に慎重になったほうが良さそうだ。

プログラミング未経験者や、経験が非常に浅い人、経験者だが全く異なるパラダイムの世界の住人には、本書はオススメできない。