ここ最近、古いスリムタワー型PCの電源を交換したり、古いタワー型PCの中身を入れ替えてリストアしたりと、古い自作PCの中身を拝見する機会があった。そこで自作PCの変化のようなものにあらためて気づいたので、メモを残しておく。
ちなみに私は、ライトな自作PC趣味を始めて15年ぐらい。ガチの自作PCではなくライト、それもここ数年は「必要になったら情報を集める」というスタンスなので、最近の事情はあまり知らない。
オンボード化(それにともなうケース小型化)
昔と今とで大きく異なるのが、拡張カードの枚数。かつてはグラフィックカード・サウンドカード・LANカード(あとモデムか?)が必須だったが、段々とマザーボードに統合されていった。今では、拡張カードなし(全てオンボード)という構成は珍しくない。軽い3Dならオンボード(というかCPUと統合された)GPUでも十分だし、Gigabit LANポートにいたっては2つも付いているマザーボードさえある。
記憶が正しければ、オンボード化で真っ先に姿を消した拡張カードはLANカードだったように思う。その次がサウンドカードなのだが、音の世界には根強いファンがいることもあり、サウンドカード自体は生き残っている(とはいえ外付けUSB音源が増えつつあるが)。グラフィックカードは、コンシューマ向けのメーカーこそAMDとNVIDIAに収束したものの、ハイエンドPCでは現役だ。
オンボード化が進むことで、ローエンドやミドルエンドのPCでは、拡張カードスロットが不要となっていった。要求スペック次第だが、マザーボードとしてmicroATXやMini-ITXでも問題ないことが多い。マザーボードがmicroATXやMini-ITXなら、ケースも小さくてよい。拡張カードが不要なら、拡張カード取り付けに必要な空間を削ることも可能となるので、さらにケースを小型化できる。
ミドルタワーやスリムタワーのPCをリストアして、中身をMini-ITXにすると、何ともいえない気分になる。スッカスカやね。
光学ドライブの衰退(それにともなう5インチベイ省略?)
内蔵型光学ドライブ(CD/DVD/BDドライブ)も減ってきた。元より、USBの高速化が進んだことや、USBデバイスからのbootが問題なくなったこともあり、外付けUSB-DVDドライブなどに置き換わるかと思っていたのだが……。
音楽や映像のオンライン配信、ソフトウェアのダウンロード販売 or サブスクリプション購入化、USBメモリによるOSのインストール――何というか、外付けドライブ云々の次元を飛び越えて、光ディスクの進退問題にまで至ってしまったようだ。内蔵型ドライブだけでなく外付けドライブも減っていきそうというか、すでに外付けドライブすらニッチ商品になりつつあるように思う。
PCケースに5インチベイが残っていた原因は内蔵型光学ドライブの存在なので*1、光学ドライブが不要となれば5インチベイも不要となる気がする。もっとも、ATX電源やグラフィックカードの大きさ(横幅)や、ケース内部での作業のしやすさなどの話があるので、ミドルタワーやミニタワーのケースがスリムになるとは思えないのだが。すでにスリムタワーとかがあるからなあ。
ところで、PCケースから内蔵型光学ドライブを取り外すのはよいのだが、取り外した後の蓋が無い。どうしたものか。
シリアルATA化
内蔵デバイスがシリアルATA化されたことで、接続用ケーブルがスリムになった。内蔵FDDも姿を消して久しいので、今ではIDEケーブルのような平たくて幅のあるパラレルケーブルが邪魔で悩むことはない。
IDEケーブルは幅があって色々と邪魔になることも多かったし、ケーブルの向きを変えるのも少々大変だった。シリアルATAのケーブルでは、そのような心配はない。
シリアルATA化によるもう1つの変化は、内蔵デバイスの電源コネクタがシリアルATA用のものに切り替わったことだ。あれで、電源コネクタの挿抜が楽になった。以前の電源コネクタは、デバイスからなかなか抜けなくて難儀することが多かった気がする。
電源コネクタの着脱
電源コネクタのケーブル(電源と内蔵デバイスの間のケーブル)を着脱できる電源が増えた。必要なケーブルのみ取り付けることで、不要なケーブルに邪魔されてイライラすることが少なくなった。
SSDと2.5インチデバイス
小型PCならともかく、ミドルタワーやミニタワーPCに2.5インチデバイスを取り付けることは少なかったのだが……SSDがその流れを覆した。大抵のSSDは、大きくても2.5インチだ*2。
古いミドルタワーPCには2.5インチデバイス用のベイが無いことも多い。リストアする際には変換マウンタのお世話になる。*3
まだ現時点では、大容量の記憶装置として3.5インチHDDは現役なのだが……通信回線がさらに高速化されてオンラインストレージへの移行が進むのか、それともSSDの単価が下がって置き換えられるのか、はたまた次世代記憶装置が登場するのか。少々興味深い。
オンラインストレージは通信回線というボトルネックを抱えているので、大量のデータを一度に操作したり、データのフルバックアップを実施したりする際に困る。SSDはまだ単価が高いし、「データ保存」という面で信用してよいものか悩ましい。次世代の記憶装置は、まだ決定的なものは無いようだ*4。